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アニメ感想日記

話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選

■はじめに

話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選に今年も参加させていただきます。詳細は「aninado」さんでご覧ください。

僕の今年のアニメはこれしかない!ってものを自信を持って10本選べました。流し見でも見てって貰えると嬉しいです。

 

■作品リスト

・ラグナクリムゾン #24 『光』

・となりの妖怪さん 【第9話】

・僕の妻は感情がない 第10話 妻と子供が迷子になりました

・忘却バッテリー 第11話 俺は嘘つきだ

・アクロトリップ #06 魔法DE無法

・ゆびさきと恋々 Sign6 ずっと見ていたいって思ってた

・悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~ 第11話 裏ボス、告白される

・ネガポジアングラー 第12話 ネガポジアングラー

・転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 第3話 気術とか付与魔術とか

・村井の恋 第12話

 

 

 

■ラグナクリムゾン #24 『光』

この回のサブタイトル『光』は、まさにこの話を綺麗に表したものだったと思います。光とは、ラグナの渾身の奥義であり、アルテマティアにとってのウォルテカムイであり、そしてラグナにとっての生き残ってくれたスターリアでした。ラグナクリムゾンって、戦争のアニメなので敵も味方もバンバン死ぬんですけど、次々死んでく各キャラは敵にも味方にもドラマがあって、それぞれが色んな思いをもって戦い抜いた戦争のラストとして相応しいラストだったと思います。またそんな戦争の中でも、これはフィクションなので最後にスターリアが生き残る、現実の戦争には無いかもしれない、都合のいい甘さが光としてちょっとだけ覗かせるのも、僕としてはとても好みです。

 

■となりの妖怪さん 【第9話】

人間と、妖怪などの不思議な生き物たちが共に生きる世界が舞台であって、種族の違いに寄らない人同士の関係というのを描き切った作品だったと思います。この回では、8話から続く内容でAで小学生パート、Bで次郎の過去編についての話をしていますが、どちらも本当の気持ちを大切な人に伝えられなかった苦しさの話をしていて、Aでは思春期故に、Bでは愛する人を亡くした悲しみから素直になれずに、というものです。Bは前話でものすごく重苦しい終わり方をしたのでどう終わるのか1週間ずっと気になっていましたが、Aでも、小学生なりに彼らの悩みは重いもので、またそこに種族の違いによる生き物としての違いによるちょっとした不穏さと、この世界特有の神隠し的なアクシデントも重なって、かなりの緊張感がありました。*1

ただどちらもこの世界特有の特別な話ではなくて、人間しかいない世界でも、突然大きな病気にかかってしまったり事故にあって会えなくなることはありますし、そうして言いたかったことを言う機会を逃してしまい、後悔することはあります。それでもこの回では、どちらも相手への強い想いがあったから気持ちを伝えることが出来ていて、一貫してこういう人と人の話をテーマにしていた素晴らしいアニメでした。

 

■僕の妻は感情がない 第10話 妻と子供が迷子になりました

夏クールの中でもひときわインパクトの大きかったアニメで、「ロボットを家族にするとは」という事にいろんな角度から向き合った意味で迫力のある作品でしたが、今回はそういう話からではなく、単にコメディとして面白かったこの回を選びました。

AIとして知能の低いマモルくんが、より知能の高いニーナちゃんに色んな事を教えてもらう話なのですが、ニーナちゃんが自信満々に間違った事を教えていたり、都合の悪い時に黙ったりする人間味を出したりするのが楽しいです。AIが自信満々に間違った情報を出力する事はハルシネーションといって現代のAI開発の課題の一つのようですが、AIどうしのツッコミの入らない環境で間違った情報をもとに進行し続ける会話がこんなにおかしいのは驚きでしたね。文字を学習するマモルくんの話も、終わるころには独自の言語を作って二人で会話しているのもなんかすごかったです。

正直、このアニメのノリが苦手な人でもこの回だけは基本設定だけ教えて見せれば楽しんでくれる人が多いんじゃないかなってくらい、コメディとしての完成度が高くて単話できれいにまとまった楽しい話だったと思います。文句なしの一本です。

「お」と「を」、なんで同じ音の文字が二つあるノ~?

 

■忘却バッテリー 第11話 俺は嘘つきだ

千早くんの野球選手としての苦悩とそれを補うための努力は殆どが千早くん主観で語られています。自分は恵まれなかったけど、恵まれないなりに足が速いという長所を見つけ、長所を生かすための努力をしたから結果が出せた。だけど自分より才能もあって努力している奴には勝てないし無駄だと気づいて諦めた。「監督は僕にとっての壁が何なのか教えてくれなかった。(けどそれはフィジカルだって自覚してるし、聞かなくても分かる。)」ただそうして一時は全てが無駄だったとまで思うほどに思いつめた千早くんの悩みも、当時のチームメイトから見たらチームへの信頼が彼の壁だったんじゃないかと普通に語られています。

人は努力して上手くいっている時ほど自分の考えに正しいと自信を持てるし、それをプライドとしてよりよい結果を求めて行動できます。でも千早くんの場合はプライドが、コンプレックスで折れそうになる心の支えになっていて、だから、プライドが自分の視野を狭めているかもしれないことに薄々気づいていながらも、弱い自分に向き合うことが出来なくて、一時は野球をやめる選択までしてしまいました。千早くんがそれでも弱い自分を肯定できるようになったのは、都立に来たからこそ、このチームだったからこそ、そして後ろのバッターが頼れる知将・要圭ではなく、アホの要くんだったからこそで、粘った末に託してのフォアボールは感動しました。

また、この回は努力の証として豆だらけの手によくフォーカスするのが印象的でしたが、最後のシーンではベンチの柵を握って千早くんを見守るみんなの手が映っていました。手に汗握るなんて言ったりしますが、思えば千早くんが海にグローブを投げ捨てようとして最後に動きを止めたのも手で、悔しくて岩肌を殴りつけていたのも手です。そんな手を一番感情が出る所として描いて、最後の最後にそのバットを振る手を止めて後ろに託したというのが、千早くんの一番の成長の表れだったのかもしれません。

 

■アクロトリップ #06 魔法DE無法

ハチャメチャに楽しかった回で、クロマ劇場とでも言うべきクロマさんの魅力が爆発していた回でした。子供の頃はあんなに夢も目標もなく自分に自信のなさそうだった少し陰のあるクールな少年が、OPが明けたら電話口の上司に頭を下げまくって降格されて転げまわって、すべてが手遅れでも部下にはかっこつけようとするこんな元気な大人に成長してくれて嬉しいですね。

その後いじけてクロマがいじけて家を飛び出した後、新総帥の子安がやってきて少しシリアスな雰囲気になりますが、路地裏に捨てられていたクロマを見つけたところから一気に楽しい雰囲気になっていきます。

ちょろ萌えすぎる。

脚が長すぎる。

魔法少女2号として画面に馴染み過ぎている。

魔法の小手がわやになった隙を突いてかっこよく上司にチクるクロマ。

めちゃくちゃカッコいいけど、他力本願で生きたいと語っているシーンのクロマ。

トホホ~になるクロマ。

こんなクロマの魅力が最大限に引き出されてるのは演じている島﨑信長さんの功績もめちゃくちゃ大きいと思います。時に全力でかっこよく、時に全力でかっこ悪く、こんなに魅力あるキャラとして演じ切ってくれありがとう、島﨑信長さん。

 

 

■ゆびさきと恋々 Sign6 ずっと見ていたいって思ってた

耳の聞こえない女の子の雪ちゃんが主人公のラブコメでしたが、耳が聞こえない事を障害として描くのではなく、感性豊かな心で、美しく多様な言葉で紡がれるモノローグが魅力の女の子として描かれていたのが印象的でした。そんな雪ちゃんのかわいらしさと、どんどん惹かれ合っていく二人を描いてきた1~5話も大好きでどのエピソードから選出するか非常に迷いましたが、僕はダントツでこの回が好きだったなと思います。

会話の道具としてだけの手話ではなく、心が伝わる手話というのも色んな見せ方をしてくれていたと思うのですが、特にこのシーンは雪ちゃんのほわほわした感情が先にあって、そこから紡がれた言葉が手話となる凄く綺麗なシーンだったと思います。

その後の逸臣さんからの手話を使った告白シーンでも、雪のように優しく降り注ぐ優しい言葉が雪ちゃんの心に沁みていくような演出がされていて、これは普通に音の聞こえる僕らが声色から気持ちを感じ取るのと同じように、雪ちゃんには手の動きからこういう風に見えているんだなって伝わるのが凄く良いです。

結局桜志くんは勝負の土俵にすら立てずに敗北してしまったのですが、そもそも桜志くんが雪ちゃんに素直になれなかった理由は、うしろめたさがあったからなんだろうなと思います。耳の聞こえない雪ちゃんのサポートという名目でしか距離を縮められない、耳が聞こえない事を利用しているともとれるような自分の情けなさと卑怯さが嫌で、そういう複雑な処理しきれない感情が手話になってトゲトゲしく表れてしまっていたのかなって感じがします。でも、逸臣さんのにとっては言葉が通じないのって全然普通の事で、最初から雪ちゃんの心根に惹かれてアプローチをかける純粋さがあり、見る方にも全く気を使わせないほどの自然さが良かったんだろうなと思わせてくれます。

そして更にラストシーンですが、通常、耳の聞こえない雪ちゃんに対しては後ろから突然視界に現れない方が良いのですが、指に刺青の入った手を雪ちゃんの視界に入れてあげるだけで誰かは分かるし、雪ちゃんが開けようとしている途中のドアをそっと押し戻すその優しい動きから逸臣さんの気持ちも伝わる、そういう敢えて少し遠慮のない一歩進んだ信頼関係を見せてくれるのがとても嬉しいシーンでした。

 

 

■悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~ 第11話 裏ボス、告白される

開幕からレベル99ネタで楽しませてくれて見ててテンポよく楽しい話で、致死量5滴の猛毒を毎回飲まされていた時のキャプの衝撃もなつかしいです。ただ、軽快なギャグに乗せて暗殺者を退けつつもユミエラがどうしてここまで自己肯定感が低くなってしまったのかという所を再度掘り下げていて、それは黒髪だからとか闇魔法が使えるからとかそういう表面的な部分よりも、一番は両親に愛されていなかった事が大きかったんだと強調されているようでした。そんなユミエラが、自分の口からパトリックにこれからも支えて欲しい、家族になれたら楽しそうとまで言うのって本当に凄い成長です。(ここから続くセリフが「私の養子になって」でズコーなんですが。)そして最後にはユミエラは、パトリックがレベル上げをした理由を聞いて自分が好かれている事に気づき、暗闇のじゃんけんで負けたことにして返事をするシーンはめちゃくちゃ嬉しかったですね。間違いなく今年一番楽しかったアニメの一つです。



 

 

■ネガポジアングラー12話 ネガポジアングラー

「釣りとは、人生」

「えぇ、いや…急に深いっすね…」

ネガポジアングラー11話「言わなきゃいけない」より

 

2024年の〆に、ド級のアニメが放送してしまいました…。*2この最終回を見た時にはもう言い尽くせない喜びでいっぱいになってボロボロ涙があふれてしまい、完全に食らってしまってその週末に一気に全部見返して今その足で速攻この記事を書いています。

なのでまず今話の感想の話をする前に、このアニメにとっての釣りとはなんだったのかという話をさせてください。このアニメについて、僕が一言で表すなら、「釣りとは、人生」です。最初にも意味深に引用したこのセリフは、病院に行く前にみんなと話してる時、藤代さんと常宏の間で交わされた会話です。藤代さんは釣りの名人なので一見オタクの何気ないセリフに見えるのですが、これってこのアニメがやってきた事そのものだったのではないかと思っています。

常宏は最初、なにもかも失敗して落ちる所まで落ちて死ぬのを待つしかないとまで思っていましたが、貴明に助け上げられてからは人生が変わっていきました。失敗続きのどん底の底だった人生の常宏は川に落ちたところで一度死んでいて、人生マイナスのところから0に戻してもらって、人生をやり直し始めたんです。

救いあげられて命を得て新しい人生がスタートして、家と一緒に住む家族が出来て、職を得て金を稼いで、趣味を得て、趣味を通じて友達が出来て、恋をして、稼いだ金で買い物をして旅行(タイ(タイラバ))もして、敵だと思っていた借金取りの人たちとさえ和解しました。そうして、人生のマイルストーンをやりなおしていく経験の中で、生きる事に楽しさを見出せるようになって行きました。人生の楽しさを知って「死にたくない」と思えるようになった常宏にとって、やりなおしてからの人生は全て釣りとともにあったもので、まさに釣りとは人生だったんだって思います。

そうして逃げて逃げて行きついた先で人生を取り戻した常宏でしたけど、釣りで人生を取り戻したのは恐らく貴明も同じだったのだと思います。貴明も、弟が居なくなった原因は自分だという自責の念から恐らく車中泊をしながら転々としてエブリマートに流れ着いたんだろうと想像がつきますが、逃げた先でまた前向きに生きれるようにしてくれたのが、おそらく釣りとその仲間だったんじゃないかと思います。

そんな二人にとっての釣りについて少し整理したところで、ここから今話の感想に入っていきたいと思います。

 

さっきまでの語りからいきなりテンションが上がりますが、もう序盤からめちゃくちゃ凄いです。前回の続きからばったり出くわしてぎこちなさ過ぎる2人ですが、短い期間でアングラーとしてめちゃくちゃ成長した常宏の姿が詰め込まれています。わずかな会話からも、明らかに知識・経験が増えていて、昼間下見をしていることが分かって貴明の見る目が変わりますし、ルアーをつけるのも常宏の方が早くてクスッっと笑って「じゃあお先に!」っと構えます。そしてこの飛距離と画ですよ!このめいっぱいにカメラを引いて飛距離を見せてくれるこの横の画に常宏の成長が詰め込まれていて、もう泣きそうです。*3

ただそれでも、貴明としてはやっぱり常宏の病気のことが常に気がかりなので、早速切り出していきます。

「なあ、そもそもお前釣りなんかしてていいのかよ。のんきに釣りなんかしてる場合なんかよって」

「してる場合なんだよ、釣りをしている場合なんだ」

観たことないような真剣な表情で返す常宏に貴明もそれ以上は追及しません。

それに、常宏の表情も全体的にいつもより目元が優しいというか、憑き物が落ちたようなどこかスッキリした顔をしています。

そうこうしているうちに常宏にデカい当たりが!

来たけどてんぱってあたふたしている常宏!!

演技もなんか弱弱しくてかなり萌えです。

 

チラリと水面に見せたシーバスの姿はめちゃくちゃデカくて、より緊迫感が増していきます。萌えぶっている常宏がマジで非力なので貴明もランディングネットで助けに入り、「落ち着け、絶対俺が掬ってやる」のセリフもエモさを駆り立て、なんとか釣り上げる事が出来ました。釣り上げた時のこの顔、からの空に向かって伸びてゆくカメラがめちゃくちゃ気持ち良かったです。


ただ、常宏にはまだ貴明に""言わなきゃいけない""ことが残っています。

 

「お礼ってどういえばいいの?」なんて回想が入るのは流石に驚きましたが、もちもちの輪郭から2コマくらいでシュッとした輪郭に戻るハナちゃんがめちゃくちゃ良かったですね。

常宏はいつも自分の事で手一杯で、自分を思ってくれる他人の気持ちや行動を気に掛ける余裕がなかったけど、釣りと向き合って人生をやり直していく中でいろんな経験をしました。それは、釣りという趣味が真剣に魚と向き合う必要がある趣味だからで、釣りに向き合うという事はそれにかかわる多くの人とも向き合っていくという事だったんだと思います。そんな常宏が釣り人としてではなく一人の人間として、川に向けていた体をまっすぐ向け直して貴明にお礼を伝えていたのは、常宏の成長が一番表れているシーンだと思います。

そうして「家に帰ろう」「いや俺の家な!」なんてやり取りをしながら帰ったのち、夜中に雪が降っていることに気づきます。ここで常宏が「エブリマートの方はどうなっているんだろ~」なんて言うのですが、以前の常宏は自分の周りのすべてに興味がなかったのが、釣りを通して周りの色んなものに興味を持ち好きになる事が出来たから故のセリフで、地味にエモいです。あと、この画の距離感エロ過ぎますね。一枚目なんかは貴明がちょっと常宏の方に体をスッと寄せるのが激エロです。

そんなエロい二人が雪降る夜の街に繰り出すわけですが、なんかこの時にしてた、「常宏が気に入ってた人形、アレやるよ(やったー)」みたいな会話がマジで萌えです。

そしてしばらく歩いて川辺で休んで話してる時に、貴明は自分の過去を常宏に打ち明け始め、実は自分も逃げ続けている人間だったということが語られます。

「逃げれば逃げる程怖くなって戻れなくなって、だんだん心も冷たくなって…」

個人的にこのアニメの厳しい所って、逃げた先で楽しいことを見つけるのは良いけど、逃げてきた現実とはいつかは向き合わなきゃいけないというのを突き付けてくる所だと思います。結局、逃げた先で一見何の問題もなくやっていたように見えた貴明も、実家の問題は何も解決していないし、弟の時と同じ過ちを常宏に対して繰り返してしまいました。常宏も、もちろん逃げたままでは余命2年の病気が勝手に治るわけでは無いので、いつかは向き合わなければいけませんし、勿論家族にも伝えなければいけません。ただ、このアニメの優しい所は、現実に向き合うのは別に一人でなくたっていいよという所なんです。先ほどの貴明が打ち明けた、過去と気持ちに対する常宏の返答はこう続きます。

「おれ、俺は…人生詰んだなって思ってた。勝ち組エリート会社員になる為に一生懸命勉強したのにさ、志望大学に落ちて、借金しちゃって、病気にもなっちゃって、なんかもう色々めんどくさくなっちゃって、何で俺だけこんな目にって、こんなのズルいじゃんってずっと思ってた。でも、でもさ、なんかそれでもいいやって思えたんだ。」

「だって、だから貴明たちにも出会えたんだろ。」

常宏が本当に全てを本音で常宏らしい言葉で語っていて、その中で今の自分を肯定する言葉が語られるの、こんなに嬉しいことってないです。

「なあ貴明、釣りって面白いな」


常宏は、貴明が居たから人生に向き合い、生きる楽しみを見つけて、問題に向き合う決心をすることができました。貴明は、釣りが大好きで前向きに生きようと笑う常宏を弟に重ねて、釣りって楽しいよなと涙します。

序盤で貴明は、「なんで釣りをするの?」っと聞かれて「一言では言えないけど色んな良さがあるんだ」みたいなことを言っていた覚えがあります。その時は弟の事もあって色んな気持ちがあり、微妙に濁した返答をしていたのかもしれないけど、このシーンで素直に「釣りが楽しい」と言えているのは、貴明がようやく現実に向き合えたという事なんだと思っています。

僕は最初ネガポジアングラーって、ネガティブ(常宏)ポジティブ(貴明)アングラーって事か~って程度にしか考えていなかったのですが、最終話まで見るとちょっと見え方も変わってきます。NegativeとPositiveって、それぞれ数学的なマイナスとプラスという意味もあり、僕はマイナス方向への移動をしているEDとキービジュが真っ先に思い浮かびました。大抵アニメで左方向への移動というと、マイナス方向への移動を表しているらしいからです。*4EDでは、逃げる方向と釣りをしに行く方向が同じなのでやはり釣りはNegative方向の逃げの要素として使われていて、ただ、その後いつかはPositive方向に戻る、自分の人生に向き直すものなんだぜって意味も込めていたかもしれないです。それに、EDとキービジュを見ると一人の時は走って逃げていたのが釣りを始めてからはゆったりとした歩みになっていて、キービジュでは貴明は後ろを振り返る余裕が出来ていて、常宏は周りの世界がどんなものなのか興味を持って周りを見ているようで、大事なことはキービジュに最初から全部詰まっていたのかもしれません。

めちゃくちゃ脱線しましたが本編に戻ると、翌日、エブリマートの人たちにお別れを告げるわけですが、こういうシーンで楽しい画が出てくるのは嬉しいですね。治療はしなければいけないですが、別に永遠のお別れというわけでは無いからか、そんなに悲観してない感じの常宏が見れるだけでも安心感が違います。身内で一番の釣りバカのハナちゃんもハナちゃんらしい餞別を送ってくれて、めちゃくちゃらしい感じだったと思います。

最後に二人がすれ違って歩いていくのも、常宏は車道の順方向(Positive)側に向かって歩いていて、自分の人生に向かって歩き出していく姿を表しているようです。ハナちゃんはまたNegative方向に戻っていきますが、作中でも少しだけハナちゃんの過去について示唆されていたように、後日何らかの形で語られることがあれば嬉しいですね。

そしてEDが流れてこれで終了…かと思いきやまさかのC!2年後!?!?常宏生きとる!!!!

めちゃくちゃ良い顔してる!貴明に呼ばれて今まで聞いたことないような元気な嬉しそうな声出しとる!!!!!

 

………ありがとう、ネガポジアングラー。

 

■転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 第3話 気術とか付与魔術とか

第七は、今年めちゃくちゃ好きなアニメの1つだったのでどの話から選ぶか非常に悩んだのですが、僕は3話が一番好きです。第七アニメの良い所ってたくさんありますけど、僕は特に戦闘シーンとエロと萌えとデフォルメだと思ってて、3話は全てがテンポよく展開されていたと思います。

タオの戦闘から始まって、エロある戦闘シーンをゴリゴリに展開させつつ、立ち位置的にはやられ役のタオも意地を見せてカッコいい見せ場がある。エロカッコいい所はとことんイケセクシーに描くし、凄く見せたいところはとことん迫力のある絵を描いて動かす。凄いばっかじゃなくて、戦闘中でも萌えで緩急を付けてきてくれてめちゃくちゃ見やすいです。戦闘が終わったらぷについたデフォルメ作画になって、CM明けたらロイドくんのワクワク工作タイム、第七のロイヤルセットみたいな回です。

 

この回の戦闘の見せ方でいうとこの辺とかもめちゃくちゃ好きで、映像としてはとにかく見てくれとしか言えないんだけど、見ててとにかく気持ちいいです。

 

人間の体をかっこよく描くのもめちゃくちゃ上手くて、こことかもうフォームがめちゃくちゃカッコいいじゃないですか。

 

戦闘中のロイドくん(ロベルト)のキュートな表情もいいですね。

 

戦闘が終わったらめちゃくちゃデフォルメになるのも素晴らしい。

 

ワクワク工作教室。(硬貨を溶かすのはやめようね。)

 

他のアニメなら

(デンドン! カララララ…) ~一日後~

で済ます所をわざわざタイムラプス作画にしてるの、どんだけリッチなんだよって話ですからね。

 

たくさん剣だめにしちゃって申し訳なさそうにしているのも萌えだね。(これが男児たるものの立ち姿か???)

 

萌えすぎ。

 

俺の鞘、ぶっ壊れたんだけど…

 

CUTEすぎ。


■村井の恋 第12話
いや~~~~~~~~~めちゃくちゃ良かったですね!!!!!村井の恋12話。

え!?まだ村井の恋を見てない?!!そんな人はまだ間に合うので今すぐこんな記事読むのはやめてさっさとDisney+で村井の恋全部見てきなさい~~~!!!

もう見た人は、良ければなんかとにかくめちゃくちゃすごかったよな~~~!!!!って気持ちを共有していきましょう。

 

僕はこのアニメの事ずっとめちゃくちゃ好きではあったんですけど、個人的にこのアニメの強みって、全体を通しての凄まじいテンポとそれを支える圧倒的な引き出しの多さだと思ってて、だから単話でのインパクトという意味ではやや劣るかな~と思ってたんですけど、最終回で見事にひっくり返されてしまいました。

ここまでの話も十分面白かったし、だからこそなんで村井が報われずにポッと出の冥王に負けそうになってるんだよ!って思ってたのが、村井があれだけアピールしても勝てない事に未成年だから以外の理由があって、それがそのまま村井の逆転勝利につながる気持ち良さと、村井のコンプレックスを見抜いて最大のエールを送ってくれる春夏秋冬くん、村井の為に喜んで力を貸してくれる友達のみんな、全てが嬉しさで構成されていました。遅れて流れるOPもめちゃくちゃ良くて、これまで誰かになり切る事でしか自分に自信の持てなかった村井が、村井に""へんしん""することで満を持して本当の""村井の恋""が始まったんですね。

と、同時にここで田中先生も、いつか裏切られるかもしれないから他人を信じられず真っ当な恋愛ができないと語ります。でも、田中先生を裏切らず、小学生のころからずっと一途に好きでいてくれた男がここにいるんですわ。村井が春夏秋冬くんと友達のみんなに支えられて自己を肯定できるようになったように、田中先生にはずっと一途に好きでいてくれた村井がいた。フラれたようになってた山門先生も人間としてめちゃくちゃカッコ良くて浮かれた二人の為に現実的な落としどころを用意してくれて、全てが最高です。

5年後、村井が教師やってるのも、ありのままの自分でめちゃくちゃ良い笑顔してるのも、めちゃくちゃ幸せそうに結婚生活を語っているのも、今でも春夏秋冬くんを夫婦で大事にしているのも全てが嬉しくて、完璧な最終回でした。

 

 

■あとがき

今年もどのアニメのどの話から選出するか、最後までめちゃくちゃ悩みました。候補かなって思う話は見返さないとどうしても判断がつかなくて、今年の振り返りもかねて色々見返していましたが、変サラ、疑似ハーレム、菜なれ、死神坊ちゃん、新米オッサン、モブから、真の仲間2期、僕ヤバ2期、ダンジョン飯、ぽんのみち、MFG、ハイスピ、エグミレガシー、ぷにる、とんぼ、きのこいぬ。他にもたくさん今年も良いアニメが沢山あった良い年だったなと思います。と同時に、単話に食い込んできそうなのに今年見れなかったアニメもあり結構反省しており、それらは来年の宿題にしようと思っています。それでは、良いお年を!

 

 

*1:土夜のトップとラストで、河童がおぼれた人を助けに行くという展開が被る物凄い盤外アクシデントもありました

*2:でもただのアニメじゃねぇぞ…

*3:名作アニメ「スローループ」でもこういう画がありましたよね

*4:同じパターンだと、2021年の大名作アニメ、RE-MAINのEDもそうでしたね。